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[335] ・短詩三編 「遠い海 近い空」

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2020年 9月15日(火)19時00分1秒 KD175131208230.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

・      「空」

  よどんだ空を飛ぶ影
  あの時も見えたはずだ
  街の尾根尾根をかすめて
  風切り羽根の音がする

  聴こえたはずだと思う
  仰ぎ見た眼光が
  優しかったから

  背後で何かがうごめいていたのだが
  ふりかえろうとはしなかった

  それは時間であったか
  あるいは 蒼い空間であったか
  問いかける言葉さえ
  忘れていた



    「仕草」

  果たして 光の束を折り曲げる
  重力が働いていたのか
  時計回りに進む希望を
  誰に託したというのだ

  その時 私は何をしていたのだろう
  今は思い出せない

  星辰はいかほどの正義を乗り越え
  何を視たというのだ
  美しい言葉を並べて
  強炭酸水で割る手指の仕草
  それは偽りの彩りであったというのか

  なべて物事は定理を持つとは限らない
  謡い終わったときの
  したたかな身振りを
  果たして 君は何処で学んだのか
  そして 私は次の言葉をのみこんだのだ

  果たして・・


    「狩る者は誰だ」

  途中まで 手順通りに進んだと思ったのか
  猜疑心と敵意だかのあいつが
  矛をおさめて引き下がるはずがない

  猟師は獣道のはずれに身を潜め
  待ち伏せる

  ここから 言葉の矢が放たれる
  想像してみたまえ
  狩る者と狩られる者
  どちらも矛をおさめて
  引き下がるはずがない

  狩るのは男か女か
  狩られるのは女か男か
  はたまた 獣か猟師か



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