根保孝栄の文芸掲示板



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60件の内、新着の記事から10件ずつ表示します。


[102] 札幌文学87号、今月末発刊

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年11月12日(日)06時30分2秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

「苫小牧市民文芸」、「いぶり文芸」に続いて「札幌文学」87号に「獣神-啄木編」を書いてます。
全体では長編になりますが、それぞれ50枚完結の手法で分載です。
この手法が良いのかどうかは別にして・・・。
実在の人物や史実の流れの中に、創作上の人物を配置する手法をとった実験小説ですね。
この手法は、私の長編「野を翔ける声」でも採用してます。
長編の分載方式、北九州の井本元義さんも「海」でやっているように拝読してましたが。

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[101] 植民地「大連」の詩人・安西冬衛と詩誌「亜」の仲間

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年11月 2日(木)04時30分28秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った。

安西冬衛・・・清岡卓行の小説「アカシアの大連」に、安西冬衛の一行詩が紹介され、
大連の地で活動した詩誌「亜」の周辺が紹介されている。

安西は、六尺豊かな中国人の従僕と高台の洒落た住宅でのんきに暮らして詩を書いていた。
植民地の豊かな生活・・その異国情緒のただよう街の風情。
韃靼海峡とは間宮海峡・・。日本とロシアが向かい合っている町である大連。

この「亜」の詩誌には北川冬彦らもいたのだが、共通の詩の雰囲気がある。


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[100] 村上春樹の言葉と作品の暗喩  その秘密の根源は何か

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年10月31日(火)07時49分7秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

村上春樹の作品を集中的に読んだのは八年ほど前であったか。
私より一回り若い彼の文学的な思想がどういうものか知りたかったからだ。
世代が違うと物事の受け止め方も微妙に違うものだ。
その段差、乖離を測りたかったのだ。

思想家の柄谷行人は、春樹文学を「結婚詐欺の男めいた文学」と評した。
それは、女性に熱狂的ファンがいることを象徴的に言っているのだろう。
評論家の福田和也は、春樹文学を「夏目漱石以来の最大の日本人作家」と評している。

ところで、春樹本人は、自分の文学をどう思っているのか。
彼は言う。「僕の文学は丁寧に保存された真空管アンプのようでありたいと思って書いている」と。

作家は、実人生よりも作品のなかで、より良く生きているものだ。
作家は、そのために作品を書いているものなのだが、作品を書かない者には、
このことはちょっと理解し辛い考えであろう。

・作家は人生の詐欺師であるか、手品師であるか、はたまた教祖であるか・・。
それは、作家が思うことではなく、読者が思うことであろう。
作家は、人生を歩むように作品を書き、一区切りごとに後悔したり満足したりするものであるにすぎない。

・人は生まれて一度は作家になり、詩人になるものなのだ。
そう感じるとき、人は歩んできた道程を後悔したときだろう。
人生に満足している者が作家にはなれないし、なろうとは思わないのはそのためだ。

ル・クレジオは、かつて「作家は小説のなかで現実よりもはるかに生きている」と。
すなわち、作家はよりよく生きたいために作品を書いているものなのだ。
たとえ、そのことを自覚しない作家でも。

・記憶に蓋をすることができても、歴史を隠すことはできないものだ。
生きている限り、個性は誰にでもある。
それがないように見える者にも個性はあり、それが表から見える者と見えない者とが居るだけの話だ。

・人間同士、いくら心が通じ合う者同士でも、口にしてはならないことが互いにあるものだ。
そして、幸運にも生き残った者には果たさなくてはならない責務があるものだ。
それを自覚するかしないかが、人間の価値をわけるものだ。

・世界の万物は暗喩のメタファーだ。人はメタファーの装置を通して
アイロニーを受け入れる。それは、作家の仕事も同様だ。

・春樹の作品「海辺のカフカ」では主人公の田村カフカの父が殺されるが、
この作品を一言で言えば、「運命が人を選ぶのであって、人は運命に逆らえない」ことを言っているのだろう。

・春樹文学の金字塔は「ノルウェーの森」の作品だろう。
この作品は、ギリシアのミコノス島で書き始め、ローマで書き終えているのは、人間の心の歴史について思いを深くする作者の意図を象徴している。

・Norwegian Wood「ノルウエーの森」は「Knowing she would」の略・・・百パーセント恋愛小説なのだが、日本文学には珍しい。オール恋愛小説として女子を夢中にさせた。

女子を夢中にさせたばかりでなく、成年男子から中年をも夢中にさせたのは、そのリリックな虚無的心象風景である。
そして、音楽や映画やファッションが作品のなかにちりばめられている魅力ゆえだ。

・引用されている音楽は

ビートルズの「オブラデイ・オブラダ」
ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」
ボブ・デイラン「テイク・ア・ローリング・ストーン」
ポール・マッカートニー、マイケル・ジャクソン「セイ・セイ・セイ」
サイモンとガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」

・引用される映画は

マイケル・カーチス「カサブランカ」
スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」
ロバート・アルトマン「М・A・S・H」

・村上春樹は翻訳作家でもある。翻訳物は

スコット・フィッツ・ジェラルド
レイモンド・カヴアー
レイモンド・チャンドラー
トルーマン・カポテイ
J・D・サリンジャー

・このように観てくると、村上春樹の作品の色合いが自然に浮かび上がってくる。
日本人作家で国際的なファンを集める秘密が、ここに明らかに浮き立つ。

  ・今きみはハルキストとも言はれても恥とは思はず文学をする  石塚 邦男







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[99] 江戸川乱歩さんの表情 その5

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年10月23日(月)14時29分35秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用

あの植木屋風のおっさんは、果たして何者なのか ?
その日、下宿に帰ってきてからも、植木屋のおっさんの後ろ姿が瞳に焼き付いて離れなかった。
思い返すと、私は、それまで江戸川乱歩の作品は少年時代から何編も読んでいたが、江戸川乱歩の顔姿を写真でも見たことがなかったことに気がついた。写真はどこかの雑誌か本で見たことがあったかもしれないが、実像にさほどの関心がなかったので覚えていなかったのだ。

芥川龍之介や太宰治や志賀直哉の顔は知っていたが、それは望んで知ったことではなく、何となく覚えたもので、私は元来、作家の作品には関心があっても、作家の姿や表情には無関心であった。
ましてや、江戸川乱歩の表情がどのようなものか、それまでは何の関心もなかったのである。
だが、今回は違った。あの植木屋のおっさんは、江戸川乱歩という有名作家なのかそうでないのか、確かめずにはおれなかった。

私は次の日の夕方、第二外国語の授業であるドイツ語の授業が終わったあと、神田の古本屋街に足を向けた。
古本屋の二、三軒も回れば、有名作家の写真が載っている雑誌か単行本の一冊くらいには出合えるだろうと思ったのだ。
ところが、江戸川乱歩の顔写真やポーズ写真が載っている本になかなか出合えなかった。私の捜し方が悪かったのか、たまたま不運に見舞われたのか、さてどうしたものかと思案した末、はたと閃いたものがあった。

それは、少年物の月刊誌に連載している作品のことである。思い出してみると、私が少年のころ、小中学生向けの雑誌に頻繁に書いていた江戸川乱歩であった。私は、少年物の雑誌を読まなくなって数年たっていた。果たして今も江戸川乱歩という大作家は、少年物の雑誌に書いているのだろうか。書いているとしたら、どれかの雑誌に江戸川乱歩の顔写真かポーズ写真が載っているはずだ。
そう思い立った私は、神田の馴染みの新刊本専門の本屋に足を向けた。




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[98] カズオ・イシグロ「The Remainns of the Day 日の名残り」・・英文でないと良さが分からない

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年10月12日(木)20時42分58秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

                                                                                           カズオ・イシグロの「日の名残り」

九月の読書会でカズオ・イシグロの「日の名残り」を十月の例会で採り上げようと
決めていた矢先、十月に入ってノーベル賞受賞が決まり、えっ本当なの?なんて
ことになったのですが、予感が当たったのでしょうか。

道立図書館から会員に一冊ずつ八冊を借りて、用意していた矢先でした。
中央公論社、土屋正雄訳の「日の名残り」ですが、1990年発刊の第四版。
静けさに満ちた英国文学らしい筆法は、日本文学を読み慣れると、退屈しがちでもあり・・
しかし、じわりと胸にしみるものもあって、「外国文学を読んだな」という実感がずしりと
のしかかってきますね。訳者が悪いわけではないが、やはり英文でないと良さが分からないだろう。

  ・英国の旧き良き時代映すもの静けさに満つ日々の名残りの  石塚 邦男

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[97] 200枚を超えるモダニズム女流歌人斎藤史論を完結、明日は旭川で「ときわ短歌」の年一度の大会に出席

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年 9月29日(金)21時02分43秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

旭川の隔月発刊短歌誌「ときわ短歌」に数年、モダニズム女流歌人の先駆けである斎藤史論論の連載をしてきたが、八月号で27回の完結、一回7枚の連載、全部で二百枚を超える。
引き続き石川啄木論を隔月短歌雑誌「ときわ短歌」に10月号からに連載を開始します。

明日9月30日は「ときわ短歌」の年一回の大会が、旭川のときわ会館で開かれるため、
旭川へ行きます。大会後の懇親会が夜ありますので出席、一泊して苫小牧にもどります。

昨日木曜日には札幌の時計台の下の「すみれホテル」で「札幌文学」の集まりがありました。
87号の締め切りが来月5日。何を提稿するか、手元にある作品数編をあれこれ
吟味してます。けっこう外出多い秋です。

昨日からすっかり秋というより冬の空気が街を覆いつくしてますね。
北海道はこれから木枯らしの季節、」そして駆け足で冬景色へ・・・。

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[96] 江戸川乱歩さんの表情 その4

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年 9月26日(火)19時57分36秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

このように書くと、さもそうであった場面としてリアルであるが、
実際にこのような手順で場面が進んだかどうか、
ただ、思い返してみて、<そうであったはず>と思って書いているだけのことだ。
私が私小説というものを信じないのは、記憶の曖昧さを少しは理解しているからだ。
それはさておき、くだんの植木屋のおっさんの話を続けたい。

「景色のさまたげになるので、垣根を故意に斜めに刈り込んだのだ」
そう言う植木屋のおっさんに、私は負け惜しみの屁理屈を感じたのと同時に、
このおっさんは植木屋の真似事をしているだけの素人だな、と見抜いた。

としたら、植木屋の真似事をしているこのおっさんは何者なのか・・。
そのとき、おっさんは「今日はこのくらいにしておくかな」とつぶやいて、
植木の刈り込み鋏などの道具をまとめて脇に抱え込み、
背中を見せて母屋の方へ歩き出していた。
その様子は、私の存在など忘れたような仕草であった。
でも、それは私をあえて無視するというような態度ではなく、
自分の好きなように行動するだけだ、というような自然なものであったので、
無作法な私も救われた気持ちになっていた。

私はその背に向かって大声で呼びかけた。
「植木屋のおじさん、ひょっとしてあなたは乱歩先生じゃないですか?」
だが、おっさんは片手を上げて、いやいやをするようにニ、三度振り
ゆっくりと歩み去るのである。

「おじさん、乱歩先生ですよね」わたしは大声でまた叫んだ。
ちょうど、西部劇のシェーンの最後の場面で
少年が立ち去るシェーンの背に向かって叫んだみたいに。
しかし、おっさんの背中は何の反応も見せずに、家影の向こうに遠ざかり姿を消してしまった。
                                         (続)




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[95] 江戸川乱歩さんの表情 その3

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年 9月24日(日)19時36分28秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

わたしがなんだかんだ話しかけるが、おっさんは鋏を動かすだけで
私の話の相手をする気がないみたいだ。
「ねぇ、植木屋のおじさん、乱歩先生は昼間いつも何をしているのですかね。
ああいう怪奇もの書く作家は、昼寝て夜書く人多いみたいだと聞きますが、
今日も寝ているのしょうか」
「・・・・・」
「それに、家族の方いないのですかね。いつ来ても姿も気配も
ないみたいなんですが」
「・・・・」
何を話しかけても、植木屋のおっさんは返事をしなくなった。
しかし、うるさい若者だ、とか私を無視するというような態度は見せないで、
ただただ黙々と生け垣に鋏を入れ続けている。

そのうち、私は奇妙なことに気付いた。
おっさんが懸命に鋏を入れている割には、生け垣の頭がふぞろいなのだ。
おっさんが前方に鋏を入れて行くにつれて、生け垣の頭が下がっているのだ。
これは専門家のやることではない。
はて、このおっさん植木屋と思っていたが、これは違うかもしれない。
鈍いわたしも、ここへ来てようやくそう気付き始めた。
(とすると、このおっさんは・・・もしや?)

しかし、まさか、乱歩ほどの大先生が、
植木屋の真似事をするはずがないではないか・・・
(いや、執筆に疲れて、運動方々植木屋の真似事をする、なんてこともあるか)
そんなことが脳裏に一瞬閃いたが、直接問い質すのも野暮な気がした。
その時の情景が、今でもありありと瞼に鮮明に浮かんでくる

そこで、
「おじさん、生け垣の頭がそろってませんよ。こっちに行くにつれ下がってますよ」
そう声をかけてみた。すると、おっさんは、鋏の手をとめて、少し後ろに下がり、
生け垣の左右を確かめるように眺め、それから私に向かって不機嫌に言った。
「いや、これで良いのだ。右肩下がりで良いのさ。
家の中から見える景色を大事にしたいからだ」
                (続く)



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[94] 江戸川乱歩さんの表情 その2

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年 9月22日(金)16時14分16秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

学生時代、江戸川乱歩さんのお宅を訪問した話を、
途中まで書いたことがある。その続きを。

池袋の千早町の自宅を訪ねたのは、昭和34、5年のころであった。
前回、ほっかむりして垣根に鋏を入れているおっさんが居て、
話しかけたところまで書いた。そのあと・・・

「売れっ子作家の家にしてはたいしたことないのでがっかりだ」と
話しかけたら、おっさんは不服がありそうにじろりと私を見た。
その日はそのまま帰ってきたが、その後、2、3度お宅を訪ねたものの、
門はいつも閉ざされていた。呼び鈴もついてなくて、押しても引いても
門は開かず、これは留守ではないかと諦めて帰るだけであった。

ある秋の夕暮れ学校帰りに立ち寄ったとき、
また垣根に鋏を入れているおっさんが居たので声をかけた。
「先日はどうもでした。今日は先生、いらっしゃるのですかね」
顔を上げたおっさんは私を見て、
「あ、お前さんは、以前一度見たことがあるな」とかなんとか言いながら、
おっさんは額に汗して鋏を動かすことをやめない。
「あれから二、三度お訪ねしてるのですが、いつも門がしまっていて。
先生は、居留守をつかってるのでしょうか。呼び鈴はないし
確かめようがなく、帰っていたのですが・・」

おっさんの耳には、私の話が届いているはずなのに、
黙ったまま一心に鋏をつかっているだけで、返事をしてくれないのだ。
                       (続く)






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[93] 千葉の同人誌「嵐」の風野涼一氏より

投稿者: 根保孝栄・石塚邦男 投稿日:2017年 9月20日(水)04時58分39秒 KD175131209158.ppp-bb.dion.ne.jp  通報   返信・引用

私どもの同人誌「嵐」要約発刊の運びになりました。
「同人誌掲示板」ですが、どこの掲示板にお送りすればいいのかわからず、
時間ばかり過ぎてしみましたが、このたび「根保孝栄の同人誌掲示板」の
アドレスが正式に掲載されましたので、遅ればせながら拙作をお送りした次第です。

追伸
北海道は、もうすでに涼しい季節をお迎えでしょうか。
私どもの千葉県は、まだまだ暑さが残っております。
今日も一日蝉しぐれで、油蝉、法師蝉で街は覆われておりましたが、
夕刻になって、蜩の声が聞こえはじめました。

       根保 孝栄さま     風野 涼一

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